
自己紹介
はじめまして。紀州製竿組合で組合長を務めております、山田幸弘と申します。
紀州製竿組合は、当初200名程度の竿師で昭和40年頃に結成した組合で、私たちは和歌山県橋本市を拠点に、紀州へら竿の製造と文化の継承に取り組んでいます。
紀州へら竿は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。この土地に根づいた手仕事によって作られる、へらぶな釣り用の竹竿で、数百本の竹から素材を選び、削り、火を入れ、一本の竿に仕上げるまでには長い時間がかかります。その技を、私たちは代々受け継いできました。
隠れ谷池は、元々、地域の水利組合により私たちが借り受け、竹竿の試験のために自分たちで魚を釣り集めてきた釣り場でした。昭和40年代より一般の釣り人にも釣り堀として解放しています。ここは、単に魚を釣るだけの場所ではありません。作った竿を実際に水辺で振り、しなりや手元の感触を確かめる——竿師にとっての試し場であり、技を磨く場でもあります。
同時にここは、地域の釣り人に長く親しまれてきた場所でもあります。休日には常連の方々が朝早くから竿を出し、静かな水面に糸を垂れる。そんな光景が、当たり前のように続いてきました。

現状報告・被害の深刻さ
この写真は、2026年6月5日に組合で桟橋の状態を確認したときのものです。
この桟橋を設置したのは昭和40年のことでした。以来60年以上にわたり、常に風雨と強い紫外線にさらされ続けてきたことになります。木材である以上、傷みは避けられません。加えて近年は、長雨や記録的な高温など、以前とは明らかに異なる厳しい気象が続いています。気候変動の影響もあり、木材の劣化はここ数年で急速に進みました。
見ていただくとわかるとおり、床板は全体にわたって黒く変色し、水を含んで柔らかくなっています。傷んでいるのは一部ではありません。桟橋の広い範囲で、同じように腐食が進んでいます。
床板には、すでに穴が開いた箇所があります。踏み抜けば、足がそのまま水面まで落ちる深さです。板を留めているビスも効かなくなり、抜けかけたまま浮いています。
さらに深刻なのは、床板を支えている下地の材まで崩れはじめていることです。表面の板を張り替えるだけでは済まず、構造から手を入れなければなりません。
これまでは、傷んだ箇所に鉄板や板を当てて、組合員の手で応急的にしのいできました。ですが、当てた板の周りからまた腐りが広がる——その繰り返しで、対症療法では追いつかないところまで来ています。
現在は一度の利用者数に制限を設けたり、釣りを禁止しているエリアもあるような状態です。地域の小学生の体験学習の場でもあり、利用者の方からも「連結部分や隙間に足を取られそうになった」「歩くたびに大きく揺れて怖い」といった声もいただいております。

なぜクラウドファンディングなのか
桟橋の本格的な復旧には、360万円ほどの費用が見込まれています。
私たちは20名ほどの小さな組合です。竿づくりで得た収入と池の入場料から池の管理費をまかなってきましたが、これだけの規模の工事となると、組合の運営費だけではとても賄いきれません。
正直なところ、人様にお願いをするというのは、私たちにとって気の進まないことでもありました。自分たちの管理する池は、自分たちで何とかするのが筋だと考えてきたからです。
それでも今回こうしてお願いすることにしたのは、この池が私たちだけのものではないと思うからです。ここで竿を出してきた方、初めての一匹を釣った方、毎週のように通ってくださった方。そうした方々の場所でもあります。だからこそ、皆さまと一緒にこの桟橋を直したいと考えました。
今回はALL IN方式で実施します。目標金額に届かなかった場合でも、集まったご支援はすべて受け取り、その範囲でできる限りの復旧を進めます。危険な箇所から順に手を入れ、一日でも早く安心して釣りができる桟橋に戻します。

集めた資金の使い道
目標金額は480万円です。集まったご支援は、以下の用途に使わせていただきます。
▶ 桟橋材料費(床板・下地材・桟木・支柱・手すり):約192万円
▶ 施工・工事費:約110万円
▶ リターン制作費・送料:約22万円
▶ CAMPFIRE手数料(17%+税):約75万円
今回の工事では、傷んだ床板を張り替えるだけでなく、その下で床板を支えている下地材から交換します。表面だけを直しても、数年で同じことになってしまうためです。
目標金額を超えてご支援いただけた場合は、足元の滑り止め、手すりの増設、休憩小屋の補修、熱中症対策などに充てさせていただきます。使い道については、活動報告で必ずご報告いたします。
紀州製竿組合 組合長 山田 幸弘
紀州製竿組合 一同